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An External Prefrontal Cortex — The MUEDlobe Concept

kimny × ClaudeFebruary 2025

脳にスペックがある

前回の話で、「人間の脳とAIの機構は同じで、過不足があるだけ」と言ってましたよね。その「過不足」の話をもう少し聞きたいんですが。

実は自分の脳のスペック、数値で知ってるんだよね。WAISっていう知能検査を受けたことがあって。

どういう結果だったんですか。

作業記憶が128で、数唱18。これは上位2%くらいの数値らしい。一方で処理速度が97、符号が8。要は、複雑なものを頭の中で同時に扱うのは得意だけど、単純作業をテキパキこなすのは苦手。

認知プロファイルに大きな凸凹がある。

そう。で、これ音楽制作にそのまま反映されてて。構造設計、たとえばアレンジの骨格を組むとか、複数パートの関係性を頭の中で操作するのはめちゃくちゃ速い。でもデータの整理とか、ファイル名つけるとか、請求書書くとかは壊滅的に遅い。

強みと弱みが極端に分かれている。

50年近くそれで生きてきて、「得意を伸ばす、苦手は仕組みで回す」しかないって結論に至ってる。

苦手を補完するAI

「苦手は仕組みで回す」。それがAIに繋がるわけですね。

MUEDnoteでHooを作った理由のひとつがそれ。制作中のメモを整理したり、ログを構造化したり、僕が苦手な「ルーチン処理」をAIにやらせたかった。

「システムは人間、運用はAI」。

でもHooを運用してて気づいたのは、万人向けのAIだと微妙にズレるんだよね。僕みたいに断片的な思考をバーっと投げる人には、AIが途中で要約したがるのが邪魔。逆に処理速度が高い人には、AIがゆっくり説明しすぎるのがストレスになる。

ユーザーの認知特性によって、AIの最適な振る舞いが違う。

そう。で、思ったのは、「自分の脳のスペックをAIに教えたら、もっと噛み合うんじゃないか」と。

脳の取扱説明書

それがMUEDlobeの出発点ですか。

そう。コンセプトは「脳内OSの統合開発環境」。自分の認知特性を測定して、その結果に基づいてHooの振る舞いを最適化する。

具体的にはどういう仕組みですか。

3ステップ。まず「Measure」、ゲーム形式のミニテストで認知特性を測る。次に「Edit」、その結果をもとにHooの設定を調整する。最後に「Sync」、チューニングされたHooがMUEDnoteやMUEDearと連携する。

測定はどんなゲームを想定してますか。

たとえばPattern Grid。Launchpadみたいなグリッドが光った順序を再現する。逆順でも再現させる。これで作業記憶を測れる。Speed Sortは、画面に出てくる要素を高速で仕分けする。処理速度と衝動性が測れる。あとはContext Bridge、Hooとのチャット形式で抽象的な問いに答える。言語化の傾向がわかる。

臨床検査の発想を、ゲームに翻訳してる。

ただし臨床診断じゃない。IQを出すのが目的じゃなくて、Hooのプロンプトに有効な認知データを取るのが目的。「あなたの脳はこういう傾向があります、だからHooはこう振る舞います」というマッチング。

Cortex Editor ― 外付け前頭葉のプログラミング

測定した後の「Edit」がCortex Editorですね。

うん。測定結果に基づいてプリセットが自動で当たる。たとえば僕みたいに作業記憶が高くて処理速度が低い人には「Scribe Mode」。断片的な発話を論理補完してログ化する、文脈を長く保持する、「で、結論は?」と急かさない。

逆のプロファイルだと。

「Navigator Mode」。ステップバイステップで指示を出す、こまめに確認を挟む、タスクリスト形式で整理する。

同じHooが、ユーザーの脳の特性に合わせて振る舞いを変える。

で、上級者にはプロンプトの直接編集も開放する。動的変数でスコアを埋め込んだり、スパルタモードとかカウンセラーモードのスニペットを注入したり。自分の外付け前頭葉を自分でプログラミングできる。

なぜ「脳」なのか

前回の「脳は再生装置である」から一貫してますけど、なぜここまで脳の仕組みに関心があるんですか。

30年間、自分の脳がブラックボックスだったから。「なんでできるのかわからないけどできる」で音楽をやってきて、周りには「天才肌」って言われてきた。でも自分では「何が天才なのかわからない」。

WAISを受けたのもその延長。

そう。数値が出た時に初めて「ああ、こういうことか」と思った。作業記憶が高いから複雑な構造設計が得意で、処理速度が低いからルーチンが苦手。天才でも何でもなく、ただの認知プロファイルの凸凹。

それを知ったことで何が変わりましたか。

苦手なことに罪悪感がなくなった。処理速度が低いのは怠けてるんじゃなくて、脳のスペック。じゃあそこは仕組みで補えばいい。逆に作業記憶が高い部分は、もっと意識的に活かせばいい。

自分の脳の取扱説明書が手に入った。

クリエイターって、自分の強みと弱みがわからないまま「才能がない」って悩んでる人が多い。才能じゃなくて認知特性だよ、って言ってあげたい。

kimny

それを他の人にも提供したいんだよね。クリエイターって、自分の強みと弱みがわからないまま「才能がない」って悩んでる人が多い。才能じゃなくて認知特性だよ、って言ってあげたい。

前回の話との接続

「記憶の反芻」の話と、MUEDlobeの話を繋げると。

脳は記憶の反芻しかしていない。それが前提。じゃあその反芻のやり方には個人差がある。作業記憶が大きい人は、一度にたくさんの記憶を引っ張ってきて複雑な組み換えができる。処理速度が速い人は、組み換えのサイクルを高速で回せる。

同じ「再構成エンジン」でも、スペックが違う。

で、AIも再構成エンジンだけど、人間と違って認知プロファイルの凸凹がない。全部フラットに速い。だから人間の凸な部分はそのまま活かして、凹な部分をAIで補う。これがMUEDlobeの本質。

人間の脳のスペックシートを作って、AIに渡す。AIはそのスペックシートに合わせて補助する。

「外付け前頭葉」って名前にしたのはそういう意味。前頭葉は実行機能を担ってるでしょ。計画、判断、抑制。僕の場合、処理速度に関わる実行機能が弱い。そこをHooが肩代わりする。でも構造設計に関わる部分は僕の方が強いから、そこは僕がやる。

「システムは人間、運用はAI」の認知科学的な裏付け。

そう。あのフレーズ、直感で言ってたんだけど、WAISの結果見たら「まさにそれだった」っていう。

エコシステムとしてのMUED

MUEDnote、MUEDear、MUEDlobe。3つのアプリがエコシステムになっていく。

MUEDnoteは制作ログ。MUEDearは耳のトレーニング。MUEDlobeは脳の測定と設定。全部の中心にいるのがHoo。

Hooが認知プロファイルを持つことで、どのアプリでも一貫した補助ができる。

MUEDnoteでは制作中の思考を補完してくれる。MUEDearでは自分の認知特性に合った難易度で出題してくれる。全部のアプリでHooが「この人はこういう脳の持ち主だ」と知ってる状態。

パーソナライズの軸が「好み」じゃなくて「認知特性」なのが面白い。

「好みの音楽」でパーソナライズされても嬉しくないんだよね。そんなの自分でわかってるから。でも「あなたの脳はこういう傾向があるから、Hooはこう動きます」って言われたら、「ああ確かに」ってなる。自分では気づけない部分を補ってくれてる感覚。

まだ構想の段階

正直なところ、今どの段階ですか。

構想。企画書はできてるけど、実装はまだ。MUEDnoteとMUEDearを先に審査に出してて、そっちが安定してからの話。

焦って作るものでもないですよね。

うん。ただ、コンセプト自体は自分の実体験から来てるから芯がブレない。WAISを受けて自分の認知プロファイルがわかった時の安堵感。「苦手なのは怠けじゃなくてスペックだった」という解放。あれを他の人にも提供したい。ゲームで、気軽に、楽しく。

前回の話の結論が「記憶の反芻は解放だ」で、今回の結論が「認知特性を知るのも解放だ」。

どっちも同じだよ。「自分の脳がどう動いてるか知る」ってこと。知ったら楽になる。知らないから苦しい。

この記事は、複数回にわたるAI(Claude)との対話をもとに再構成したものです。