MUEDvox ユーザーマニュアル(1.0.2)
MUEDvox は、メインボーカル 1 本から、歌い方の違うハーモニーを作るプラグインです。声部ごとに「どの音程で」「どんな声で」歌うかを決められます。
1. インストールとライセンス
Mac(AU・VST3・AAX)
- DAW を終了します。
MUEDvox-1.0.2-installer.pkgを開き、画面に従います(管理者のパスワードが要ります)。- DAW を開き、プラグインを再スキャンします。
アンインストールは /Applications/MUEDvox/Uninstall MUEDvox.command を開きます。ライセンスキーは消えません。
1.0.0・1.0.1 から更新する時は、上から入れ直します(Mac は新しい pkg を開く・Windows は MUEDvox.vst3 フォルダーを置き換える)。ライセンスキー・プリセット・セッションはそのまま使えます。
Windows(VST3・64 bit)
- DAW を終了します。
- ZIP を展開し、中の
MUEDvox.vst3フォルダーをC:\Program Files\Common Files\VST3\にコピーします(展開でできた外側のフォルダーごとではなく、MUEDvox.vst3だけ)。 - DAW を開き、VST3 プラグインを再スキャンします。
画面の大きさ
画面の右下の隅をドラッグすると、全体を拡大・縮小できます(50〜400 %)。Windows では、開いた時に画面に収まる大きさ(100/75/60/50 % のどれか)で始まります。変えた大きさは、画面を閉じて開き直すだけなら残ります。プラグインを挿し直した時と、セッションを開き直した時は、最初の大きさに戻ります。
ライセンスキー
キーが無い間はデモです(期限はありません)。音を 45 秒鳴らすごとに、ハーモニーが 3 秒ほど抜けて、また戻ります。元の歌(Lead)は鳴り続けます。 書き出しにも抜けが入ります。デモで作った設定はセッションに保存され、キーを入れた後もそのまま開けます。MUEDvox のプリセットメニューからの保存(Save preset…)はキーを入れてからです。DAW の機能で保存するプリセットは、デモでも使えます(7 章)。デモの間、画面の右下には DEMO · ENTER LICENSE と出ます。
キーを入れるには、画面の右下の表示(DEMO)をクリックして小窓を開き、次のどれかを行います。
- ライセンスファイルを小窓にドロップする
- Load license file… でファイルを選ぶ
- キーの文字をコピーして Paste from clipboard
入ると表示が LICENSED に変わり、ハーモニーが戻ります。キーは 1 度入れれば、同じユーザーで開くすべての MUEDvox に効きます。
試用のライセンス(期限のあるキー)では、期限まですべての機能が使えます。期限が過ぎるとデモに戻ります。どちらの場合も、セッションの設定はそのまま残ります。
2. 最初の使い方
- ボーカルのトラックに MUEDvox を挿します。ボーカルは 1 人の声・和音でない素材が向いています。
- 右の SCALE で曲の Key とスケールを選びます。
- 再生します。既定では、3 度上(V1・falsetto)と 3 度下(V2・mix)が鳴ります。
- 右上の Lead と Harmony で、元の歌とハーモニー全体の音量を決めます。
3. Mode — 音の良さと遅れの選び方
上の帯の MODE で選びます。数字はプラグインの遅れ(レイテンシー)で、DAW に報告されます。
- Render(0.94 秒) — いちばんきれいな音です。先の音を読んでから歌うので、0.94 秒遅れます。Pro Tools ではこの遅れが遅延補正の上限を超えるため(トラックの Delay の数字が赤くなります)、そのままでは他のトラックより遅れて聞こえます。トラックをコミットして使ってください。 コミットした音は元の歌と位置が合います。ほかの DAW で遅れて聞こえる時は、トラックをフリーズまたはバウンスしてください。
- Track(0.34 秒) — Render に近い音で、遅れは 3 分の 1 です。Pro Tools の遅延補正の範囲に収まるので、インサートに挿したままミックスできます。48 kHz では上限のほぼ一杯なので、同じトラックに遅れのあるプラグインを重ねないでください。
- Live(3 ms) — 歌いながら、弾きながら使うモードです。ほぼ遅れません。音の質は Render・Track に及びません。
Render の時は、鍵盤の上に遅れの注意が 1 行出ます。Details > をクリックすると、3 つのモードの説明が開きます。
右上の ACTIVE を切ると、プラグインは何もせず音を通し、遅れも 0 になります。
4. 声部(V1〜V4 と Bass)
画面の左の 5 本の列が声部です。
- ON — その声部を鳴らします。
- S・M・W — ソロ、ミュート、W はその声部を息の成分だけ(ささやき)にします。
- 音程(◀ ▶) — 元の歌からの度数です。+2 は 3 度上、−2 は 3 度下、+4 は 5 度上。スケールに沿って動きます(Scale が Chromatic の時は半音で数えます)。
- REGISTER — 声区のレバーです。上から CHEST(地声)・MIX・HEAD・FALSETTO(裏声)・WHISPER。同じ音程でも、歌い方を変えられます。
- SAFE が点いている間は、WHISPER の端(不自然になりやすい範囲)へは動きません。クリックして外すと、端まで動かせます。
- LEVEL — その声部の音量。
- PAN — 左右の位置。
- DOUBLE — 声部を 2 人で歌っているように重ねる量。
- Detail ▸ — 声部ごとの細かい調整(Formant、Low cut、High cut、Mud)。
Bass は低い声部です。Octave は元の歌の 1 オクターブ下、Chord は和音の低音を歌います(MIDI の和音が要ります)。
MASTER・STEREO FIELD
右上の半円は、各声部の左右の位置と音量の図です。声部の丸をドラッグすると、向きが Pan、中心からの距離が Level になります。
CHORUS と CLEAN
- CHORUS — ハーモニー全体に掛かる広がり(I・II・I+II、DEPTH、MIX)。
- CLEAN — オンにすると、ダブル・コーラス・声部の EQ を外し、ハーモニーと声区だけの素の音にします。高域のざらつきが気になる時に試してください。
5. スケールと和音
- SCALE — Key とスケールの名前を選びます。12 個の音名をクリックすると自分のスケールを作れます(名前は Custom になります。Key とスケールはセッションに保存され、プリセットでは変わりません)。
- Follow MIDI chords — オンの時、MUEDvox に送った MIDI の和音にハーモニーが従います。和音はどのオクターブで弾いても同じです(音名で読みます)。MIDI が来ていない間は、スケールに従います。
- MIDI の送り方は DAW によります。Pro Tools では、MIDI またはインストゥルメントのトラックの出力に MUEDvox を選びます(MIDI チャンネル 1 で送ってください)。
- Avoid parallel 5ths — 声部が元の歌と平行 5 度で動くのを避けます。
- 画面の下の KEYBOARD は表示だけです。届いている MIDI と、鳴っている声部の音が見えます。
6. FX のページ
上の帯の HARMONY|FX で切り替えます。エフェクトは元の歌を含む全体に掛かります。
Program EQ、Comp、Sat、Delay、Reverb、Chorus、Flanger、Phaser、Imager の 9 つ。使う物をラックに載せ、ドラッグで順番を入れ替えられます。Delay にはテンポ同期(付点・3 連)、Ping Pong、L/R 別の時間、Diffuse(反射を拡散させる)、HPF/LPF があります。
7. プリセット
上の帯の PRESET から選びます(◀ ▶ で順に送れます)。プリセット 1 つが、ハーモニーの設定(声部・コーラスなど)と FX のページの設定の両方を持ちます。HARMONY と FX のどちらのページでも同じ一覧です。
- 最初から 7 つ入っています: Natural・Clean・Wide Stack・Stack + Bass・Vintage Chorus・Plate Duo・Wide Duo。
- Save preset… で、今の設定に名前を付けて保存できます。自分のプリセットは Delete で消せます(確認は出ません)。
- デモの間は Save preset… が灰色で「(needs a license)」と出ます。プリセットを選ぶ・消すことはできます。
- DAW の機能で保存するプリセット(VST3・AU のプリセットや Pro Tools のプラグイン設定など)は、キーの有無にかかわらず使えます。こちらはプラグインの全部(Key とスケールを含む)を保存します。
- FX は元の歌(Lead)にも掛かります。リバーブやディレイの入ったプリセットを選ぶと、Lead にも付きます。
プリセットで変わらないもの: Key とスケール(曲のもの)・Mode・ACTIVE・SETTINGS の中身。これらはセッションに保存されます。
8. SETTINGS
画面の右上、ACTIVE のすぐ左の歯車を押すと SETTINGS が開き、Live モードの動きの設定が 2 つあります。箱の外か、もう一度歯車を押すと閉じます。セッションに保存され、プリセットでは変わりません。
- Note start — ハーモニーの音がどれだけ早く出るか(Soft・Fast・Fast+)。早いほど出だしは速く、音程の読み違いは増えます。
- Chord change under a held note — 伸ばしている歌の途中で和音が替わった時、すぐ従う(Follow)か、次の歌の音まで待つ(Hold)か。
9. うまくいかない時
| 起きている事 | 見る所 |
|---|---|
| ハーモニーが 45 秒ごとに数秒抜ける | デモです。ライセンスキーを入れてください(1 章)。 |
| Save preset… が灰色 | デモです。ライセンスキーを入れるか、DAW の機能でプリセットを保存してください(7 章)。 |
| 他のトラックより遅れて聞こえる | Mode が Render の時は、トラックをコミット/フリーズ/バウンスするか、Track に替えます(3 章)。 |
| Pro Tools でトラックの Delay が赤い | Render の遅れが遅延補正の上限を超えています。コミットすれば位置は合います。 |
| 和音に従わない | Follow MIDI chords がオンか・MIDI が MUEDvox に届いているか(鍵盤の表示に出ます)・Pro Tools ではチャンネル 1 か。 |
| 高域がざらつく | CLEAN をオンに、または DOUBLE を下げます。REGISTER を WHISPER の端から離します。 |
| Live で音程が跳ぶ | SETTINGS(歯車)の Note start を Soft に。Live は 1 人の声・伴奏の混ざらない素材向きです。 |
| Pro Tools の AudioSuite に出ない | AudioSuite には対応していません。インサートで使い、Render はコミットしてください。 |
VST および VST3 は、欧州その他の国で登録された Steinberg Media Technologies GmbH の商標です。Audio Units(AU)は Apple Inc. の商標です。AAX は Avid Technology, Inc. の商標です。Pro Tools および AudioSuite は Avid Technology, Inc. の商標です。Mac は Apple Inc. の商標です。Windows は Microsoft Corporation の商標です。